子供は甘いものが大好きだけど

子供は甘いものが大好きです。甘いものの代表はお砂糖ですが、砂糖は体の中でブドウ糖と果糖に分解されます。ブドウ糖は体動かし頭を動かすエネルギーになりますが、もう一方の果糖は人の体の中で上手に代謝されません。

果糖は果物や蜂蜜に多く含まれています。かつて果糖は糖尿病になりにくいと誤解されていました。これは血液中のグルコース(ブドウ糖)の濃度を血糖値と呼ぶためです。

体動かせばブドウ糖は分解されるのですが、体動かしても果糖は分解されません。小腸から吸収された果糖は肝臓で脂肪になるのですが、肝臓の処理能力を超えた果糖は血液中に入って全身で糖化反応(グリケーション)を起こします。糖化」反応は糖が体の中のタンパク質と結びついて老化物質を作る反応です。これが怖い糖尿病の原因です。

砂糖は虫歯と糖尿病と言う偶然よく似た2つの病気を引き起こします。虫歯が脱灰と再石灰化の揺れ動くプロセスからはみ出して、ついにはに穴を開けてしまうように、糖尿病は血糖値の振れ幅をはみ出すと目が見えなくなったり(糖尿病性網膜症)、腎臓が動かなくなる(糖尿病性腎症)と言う結果を招きます。

指先から手足が腐ってしまうこともあります。腐った指先をきれいに切り落としたら糖尿病治療したことになるでしょうか。虫歯の穴を削ってプラスチックをきれいにつめたら、虫歯を治療したことになるのでしょうか。

子供のひどい虫歯は今では珍しいものですが、子供の糖尿病は減っていません。普段から砂糖や異性化糖(HFCS、ブドウ糖果糖液糖など)をたくさん摂っていると、糖化反応が進んでしまうのです。

糖尿病だけではありません。糖化反応によって、認知症、がん、高血圧、動脈硬化性のリスクが高まることがわかってきました。甘いもの好きの習慣をつけてしまうと、お子さんの生涯の健康にとって、とても大きな障害になります。