MFTがうまくできない・続かないときは?
「最初はやっていたのに、だんだん嫌がるようになった」
「家でやろうとしても、うまくできない」
「毎日声をかけるのがだんだん大変になってきた」
MFT(口腔筋機能療法)を続けていると、このように感じることもあるかもしれません。
MFTは、舌や唇、頬などのお口周りの使い方を整え、正しい舌の位置や飲み込み方を普段の生活の中でも自然にできるようにしていくためのトレーニングです。
ただし、毎回スムーズに進むとは限りません。
子どもが嫌がったり、やり方が難しかったり、つい忘れてしまったりすることもあります。また、保護者の方にとっても、毎日声をかけ続けることが負担になる場合があります。
今回は、MFTがうまくできない、続かないと感じたときの考え方や工夫についてご紹介します。
目次
うまくできない=やる気がない、ではありません
MFTがうまくできないと、「ちゃんとやってくれない」「やる気がないのかな」と感じることがあるかもしれません。
しかし、実際には、
- 動かし方がまだ分からない
- 舌を思った位置に動かせない
- トレーニングの意味を理解しにくい
- 集中する時間が長すぎる
- 疲れていてやる気が出ない
など、さまざまな理由があります。
特に小さな子どもでは、頭では分かっていても、舌や唇を思った通りに動かすことが難しいこともあります。
できないことを責めるのではなく、「どこが難しいのか」を確認することが大切です。
子どもが嫌がるときは、無理に続けすぎない
MFTを嫌がるようになったときに、「毎日やらないといけないから」と無理に続けると、トレーニングそのものが嫌になってしまうことがあります。
まずは、なぜ嫌がっているのかを考えてみましょう。
例えば、
- 難しくてできない
- 同じ練習に飽きている
- 時間が長く感じる
- 注意されることが嫌
- 疲れている時間に行っている
など、理由によって対応は変わります。
一度に全部やろうとせず、その日にできる範囲で取り組むことも大切です。
「今日はここまで」と区切ることで、気持ちを切り替えやすくなることもあります。
忘れてしまうときは、生活の中に組み込む
家庭でのMFTは、意識していないと忘れてしまいやすいものです。
「時間があったらやろう」と思っていると、気づいたら一日が終わっていた、ということもあります。
そんなときは、
- 朝の歯みがきのあと
- 帰宅して手を洗ったあと
- お風呂の前
- 夜の歯みがきのあと
など、すでに毎日行っている習慣と組み合わせると続けやすくなります。
また、目につく場所にトレーニング用の鏡を置いておくなど、「思い出せるきっかけ」を作るのも一つの方法です。
「できていない」と言いすぎない
子どもがトレーニングをしていると、つい細かいところが気になってしまうことがあります。
「そこ違うよ」
「舌が下がってる」
「ちゃんとやって」
と何度も言われると、子どもにとってはMFTが「注意される時間」になってしまうことがあります。
もちろん、正しい方法で行うことは大切です。
ただし、毎回すべてを完璧にする必要はありません。
「ここは上手にできたね」
「前より動かしやすくなってるね」
など、できている部分にも目を向けてみましょう。
親子で負担になってきたら、やり方を見直すサイン
家庭でのMFTが、
「またやってない」
「早くやりなさい」
「もうやりたくない」
というやり取りばかりになっている場合には、少し進め方を見直してみてもよいかもしれません。
MFTは、家庭での取り組みも大切ですが、親子の負担が大きくなりすぎると続けること自体が難しくなります。
回数や内容が今の生活に合っているか、子どもにとって難しすぎないかなどを確認してみましょう。
歯科医院で相談することで、トレーニング内容や進め方を調整できる場合もあります。
できないトレーニングはそのままにしない
同じトレーニングを何度やってもうまくできない場合は、単に練習不足とは限りません。
舌の動かし方そのものが難しかったり、別の動きから練習した方がよかったりする場合もあります。
自己流で無理に続けるよりも、「ここができません」と歯科医院で伝えてみましょう。
実際の動きを確認することで、
- 動かす位置を変える
- もっと簡単な練習から始める
- トレーニングの順番を変える
など、その子に合わせて調整できることがあります。
完璧に毎日できなくても大丈夫
MFTを続けていると、「毎日できなかったら意味がないのでは」と不安になることもあるかもしれません。
しかし、忙しい日や体調が悪い日、疲れている日は誰にでもあります。
一日できなかったからといって、それまでの練習がすべて無駄になるわけではありません。
大切なのは、できなかったことでやめてしまうのではなく、また次の日から戻ることです。
「毎日完璧に」よりも、「長く続けられる形」を作っていきましょう。
子どもに合わせたペースで進めることが大切
MFTの進み方には個人差があります。
すぐにできるようになる子どももいれば、同じ動きを身につけるまでに時間がかかる子どももいます。
兄弟やほかの子どもと比べる必要はありません。
前回より舌を動かせるようになった、少し長く口を閉じられるようになったなど、その子自身の変化を見ていくことが大切です。
歯科医院には「できていないこと」もそのまま伝えてOK
受診するときに、
「家ではほとんどできませんでした」
「嫌がって続きません」
「やり方が合っているか分かりません」
と伝えることに抵抗を感じる必要はありません。
MFTは、できていないことも含めて状態を確認しながら進めるものです。
家庭で困っていることを伝えることで、今のトレーニングが子どもに合っているか、負担になりすぎていないかを見直すきっかけにもなります。
まとめ
MFTがうまくできない、続かないと感じることは珍しくありません。
子どもが嫌がったり、忘れたり、思うように舌を動かせなかったりすることもあります。
そんなときは、
- なぜ嫌がっているのか確認する
- 難しすぎる場合は内容を見直す
- 毎日の習慣とセットにする
- できていないところばかり指摘しない
- 完璧に毎日行うことにこだわりすぎない
- 親子の負担が大きいときは歯科医院に相談する
ことを意識してみましょう。
MFTは、短期間で完璧にできることを目指すものではありません。
その子に合った方法やペースで、正しいお口の使い方を少しずつ身につけていくことが大切です。
「家で全然続かない」
「このやり方で合っているか分からない」
という場合も、困っていることをそのまま歯科医院で相談してみましょう。