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小児矯正治療

歯並びや噛み合わせは、お子様の成長とともに大きく変化します。 小児矯正とは、あごの発育や乳歯から永久歯への生えかわりを見据えながら、将来的に整った歯並びと安定した噛み合わせをめざす歯科治療です。 あごの骨が柔軟である子供の時期にアプローチすると、大人になってからの抜歯リスクや長期的なワイヤー装置の装着期間を短縮しやすくなります。当院では、矯正治療をむし歯予防やお口の機能訓練と合わせて取り組むことで、健やかな成長を後押ししております。

小児矯正治療

小児矯正の必要性

お子様の歯並びや噛み合わせに乱れがあると、見た目の問題だけでなく、将来的にむし歯や歯周病のリスクが高まる可能性があります。 また、しっかり咀嚼(そしゃく)しにくいことで栄養バランスが偏ったり、発音への影響が出たりすることも珍しくありません。 成長期はあごの発育が活発なので、早めに適切な処置を行えば歯並びの改善だけでなく、お口の周りの機能を育てることに大きく貢献します。 乳歯の時期からお口の環境を整えると、思春期以降も歯のトラブルが起こりにくい状態を保ちやすくなります。

小児矯正の必要性

当院が重視すること

1) お子様とご家族が不安なく治療に臨めるように、十分なカウンセリングを行います。
2) 無理な抜歯や過剰な処置を避け、なるべく自然な成長を助ける方法を選びます。
3) むし歯予防や管理を同時に進めることで、治療後も健康な口腔環境を保ちやすくします。

当院では院長と副院長が矯正治療を行います

当院では、小児矯正の全過程を院長と副院長が担当しています。 外部の矯正専門医に任せる医院も少なくありませんが、当院の場合はむし歯治療や応急対応まで含めて同じ歯科医師が管理を継続するため、患者様の負担が大幅に軽減します。 矯正治療が進む中で、急に装置が外れてしまったり、歯ぐきの腫れや痛みが出てきたときでも、すぐに対処できる体制を整えています。 治療を進めながらむし歯予防や歯周ケアを行い、いつでも最適な口腔環境を保てるようサポートします。 同じ医師が常に経過を追いかけることで、矯正中のちょっとした変化や疑問にも即座に対応できます。 たとえば装置の微調整や、ブラッシング指導、フッ素塗布などをこまめに行うことができるので、矯正治療の結果をより良いものに導きやすくなります。 また、患者様の生活パターンやお子様の性格、治療への不安なども把握できるため、コミュニケーションの面でもメリットが大きいと感じています。 歯並びを整えるだけでなく、治療完了後もむし歯や歯周病のリスクを最小限に抑え、口元全体の健康を守るために、長期的な視点で取り組んでいます。

当院では院長と副院長が矯正治療を行います

対象年齢と開始時期

小児矯正は未就学児(4〜6歳)から小学生、中学生、高校生(16〜18歳)まで幅広く対象としています。 とはいえ、6〜8歳頃が最も始めやすいタイミングです。 前歯が生えかわり始めるころはあごの成長が期待でき、歯並びの土台を整えやすい時期といえます。

対象年齢と開始時期

6〜8歳がベストな理由

この時期は乳歯から永久歯への移行が始まり、あごの大きさや噛み合わせをコントロールしやすくなります。 歯の根元から動かせる可能性が高まり、歯を抜かずにスペースを確保する選択肢が広がります。 前歯に長期間ワイヤーを装着したくないご家族には、早期の介入が望ましいと考えています。 むし歯治療やお口の習慣改善とあわせて計画的に進めることで、短期間でも効果を引き出しやすくなります。

6〜8歳がベストな理由

各年齢層に合わせた治療

未就学児(4〜5歳)

歯がはえ始めてから間もない段階で異常に気づいた場合、舌や唇のクセを改善するトレーニングを指導します。 舌の正しい位置や呼吸方法を身につけることで、歯列が乱れにくい土台を作ります。

未就学児(4〜5歳)

小学校低学年(6〜8歳)

6歳から臼歯が生え始め、あごの大きさを整える治療が有効になります。 MFT装置(筋機能療法装置)や固定式の拡大装置などを使い、必要に応じてワイヤーを活用して噛み合わせを調整します。 むし歯になりやすい時期でもあるため、予防管理も欠かしません。

小学校低学年(6〜8歳)

小学校高学年(9〜12歳)

前歯や犬歯や小臼歯の生えかわりが進む段階です。 スペース不足や歯並びのずれが明らかになるため、ブラケット・ワイヤー装置で犬歯や小臼歯を動かしていきます。 お子様の成長を見守りつつ、むし歯予防を続けながら計画的に歯列を整えます。

小学校高学年(9〜12歳)

中学生(13〜15歳)・高校生(16〜18歳)

あごの成長が落ち着きに向かう時期でもあり、ワイヤーによる矯正やマウスピース矯正が中心となります。 すでに生えかわりが完了しているケースも多いですが、必要な場合にはあごの位置調整や歯列全体の動きを考慮して治療を進めます。 高校生のうちに歯並びを安定させると、大学進学や就職前にきれいな口元で自信を持てます。 この時期のスタートは抜歯が必要なケースが増えます。

中学生(13〜15歳)・高校生(16〜18歳)

多彩な矯正装置で柔軟に対応します

当院ではお子様一人ひとりの成長度合いやお口の状態に合わせて、複数の装置を組み合わせながら小児矯正を進めています。 特にMFT装置(筋機能療法装置)、ブラケット・ワイヤー装置(表側矯正)、固定式の拡大装置を軸に、あごや歯列の状態に応じて最適な治療計画を立案します。 これらの装置はいずれも目的が異なるため、お子様に合うものをきちんと選定し、長期的な口元の安定を図ります。

多彩な矯正装置で柔軟に対応します

MFT装置(筋機能療法装置)

不自然な舌や唇のクセが歯列の乱れにつながっている場合には、MFT装置を活用します。この装置は夜間装着して、寝ている間も機能する装置です。 舌・唇・頬などの周りの筋肉バランスを整えて、本来の正しい位置で飲み込んだり、発音したりする習慣を身につけることをめざします。 日常的なトレーニングを続けることで、歯並びが乱れる大きな原因の一つである筋肉のクセを改善し、より自然な噛み合わせを育みます。 お子様が嫌がらない程度の優しい装着感を目指し、年齢や筋力に合わせて丁寧に指導いたします。

ブラケット・ワイヤー装置(表側矯正)

歯の表面にブラケットを付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす矯正装置です。 歯を直接的に動かす力を調整しやすく、さまざまな歯列不正に対して広く応用できます。 一般的には装着当初に多少の違和感がありますが、お子様の成長に合わせて力加減を調整するため、過度な痛みを抑えやすいよう配慮しています。 定期的にワイヤーの調整を行うことで、理想の歯並びへと段階的に導きます。

固定式の拡大装置

あごが小さいために歯並びが重なってしまう場合は、固定式の拡大装置を用いることがあります。 これはあごの幅を少しずつ拡げることで、歯が正しく並ぶためのスペースを確保する装置です。 自力で取り外しができないので、装着をサボってしまう心配が少なく、計画的な治療の進行が見込めます。 ブラケット矯正やMFT装置と併用することで、より短期間で歯列の拡大を促し、きれいな噛み合わせを実現しやすくなります。 これらの装置はお子様の年齢やあごの骨の発育状況、生活スタイルによって向き不向きがあります。 当院ではカウンセリングと検査を通じて最適な組み合わせを見きわめ、ご家族とも相談しながら治療を進めます。 装置の選択だけでなく、日々のケアやむし歯予防、噛み合わせの維持管理にも注力し、お子様の健やかな成長を支えることを大切にしております。

取り外し型矯正装置のデメリットについて

小児矯正で用いられる装置には、歯に固定するタイプと、患者様ご自身で取り外しが可能なタイプがあります。特にMFT装置や一部の拡大装置などは、ご自宅での装着・取り外しができる点が大きな特徴です。 一方で、取り外し型の装置にはいくつかのデメリットも存在します。

お子様が装着をサボると、治療が計画通りに進まない

取り外し型の装置は「自分でつける・外す」が自由にできる反面、お子様が装着を忘れたり、つけるのを嫌がってしまうことがあります。矯正治療は「装着時間の積み重ね」がとても重要なため、決められた時間しっかり使わないと、思うように歯並びが整わなかったり、治療期間が長引く原因になります。

親御様とお子様の間で摩擦やストレスが生じることも

歯並びの改善を強く望む親御様と、「面倒」「違和感がある」などの理由で装着を嫌がるお子様との間で意見が食い違い、時には親子関係がギクシャクしてしまうケースもあります。「治療を進めたい親」と「やりたくない子ども」で毎日の声かけがストレスになってしまうことも少なくありません。

治療効果に個人差が出やすい

取り外し型装置は、お子様本人の協力度によって治療効果が大きく左右されるという特徴もあります。保護者の方が日々しっかりとサポートし、モチベーションを維持することが重要となります。

このような点から、取り外し型の装置を使用する場合は「お子様ご本人のやる気」や「ご家庭の協力体制」が、治療を成功させる上で非常に重要です。当院でも、ご家族に無理な負担がかからないよう、装置の特徴や使い方、モチベーションの保ち方などをしっかりご説明した上で治療計画をご提案しております。もしご不安な点があれば、いつでもご相談ください。

治療の流れ

1:無料相談

初診後資料がそろっている方には、お子様の歯並びが気になる方に向けて、無料相談を行っています。
この段階で治療期間や費用の大まかな目安をご案内します。お子様やご家族が望む結果を伺いながら、どのような装置や期間が適切かをお伝えします。
当院では1期治療に着目しながら、必要に応じて2期治療を行うタイミングや費用についても事前に説明いたします。
基本的には44万円〜66万円の範囲で対応しており、ご予算面も含めてご相談ください。
※中学生以上は有料の矯正相談となります。

2:検査、診断

検査ではレントゲン写真や歯型の採取などを行い、お子様のあごの大きさや歯の生え方を正確に把握します。
歯型の採取には口腔内スキャナーを活用し、お子様に少しでも不快感がないように進めます。
むし歯や歯周病がないかも同時にチェックし、総合的に診断します。

3:治療開始

むし歯や歯ぐきの治療が必要な場合は、優先的に処置を進めます。
その後、選択した装置を装着し、定期的に調整を行いながら歯を正しい位置へ導きます。
装置には取り外し式のものや、ブラケット(歯の表面に装着してワイヤーを通すタイプ)があります。
お子様の協力度や生活習慣を考慮して決定しますので、不明点や不安なことは遠慮なくお尋ねください。

4:観察・安定期間

歯の移動が終わった後も、あごの成長や咬み合わせを定期的に観察します。
夜間だけリテーナー(歯を固定する装置)を使用するなど、後戻りを防ぐための管理が欠かせません。
この期間にしっかり管理を行うことで、長期にわたりきれいな歯列を維持できます。

よくある質問と回答

Q1: どういう歯並びが矯正の対象になりますか

お母さんのお困りごとで1番多いのはガタガタ(叢生)です。それ以外に、開咬(上下の歯の間に隙間ができて噛み合わない)、反対咬合(下の歯が上の歯より前に出る)、あごの成長に伴って起こるさまざまな不正咬合が対象です。 上顎前突(出っ歯)や過蓋咬合(噛み合わせが深い)も含め、検査で判断します。

Q2: 痛みはありますか

装置を装着した直後は、わずかな痛みや違和感を覚えることがあります。 しかし、当院では痛みを最小限に抑えるよう配慮した調整を心がけています。 必要に応じて痛み止めをおすすめする場合もありますが、通常は数日で慣れていくケースが多いです。また、痛みが続く場合には早く対応が出来ることも当院の特徴です。

Q3: 早期に始めるメリットは何ですか

あごの骨の成長が期待できるうちに歯並びを整えると、抜歯のリスクを減らしやすいです。 また、前歯にワイヤーを装着する期間が短縮できる可能性が高まります。 小学校低学年から始めていれば、大きな問題が起こる前に対策を打てるため、治療全体をスムーズに進めやすくなります。

Q4: 大人の矯正とどう違うのですか

子どもの矯正治療は、子どもの成長力を利用しながらあごや歯列を拡大・誘導できるので、結果的に治療期間を短縮できる場合が多いです。一方、大人の矯正治療の場合は、あごの成長がほぼ終了しているため、歯を抜いてその隙間に歯を動かします。また、動かす歯が完成後の大人の歯なので比較的痛みが強いと言われています。