MFTと矯正後の後戻り

「せっかく矯正したのに、また歯並びが戻ることってあるの?」
「舌の癖があると、矯正後の歯並びに影響するの?」
「MFTを続ける意味って、矯正が終わったあとにもあるの?」
矯正治療が終わると、「これで歯並びは完成」と思う方も多いかもしれません。
しかし、矯正治療で歯をきれいに並べたあとも、歯には舌や唇、頬などから毎日さまざまな力が加わっています。
そのため、矯正後の歯並びを安定させるためには、保定装置を使用することに加えて、普段のお口の使い方にも目を向けることが大切です。
特に、舌で前歯を押す癖や、舌が低い位置にある状態、飲み込み方の癖などが残っている場合には、歯並びに影響することがあります。
今回は、MFT(口腔筋機能療法)と矯正後の後戻り、舌の癖との関係についてご紹介します。
目次
矯正後に「後戻り」が起こることがあります
矯正治療では、装置を使って歯を少しずつ動かし、歯並びや噛み合わせを整えていきます。
しかし、歯を動かした直後は、その位置が完全に安定しているわけではありません。
歯の周りの組織が新しい位置になじむまでには時間がかかるため、矯正治療が終わったあとには「保定」と呼ばれる期間があります。
この時期に使用するのが、リテーナーなどの保定装置です。
保定装置を適切に使用することで、歯が元の位置へ戻ろうとするのを防ぎ、新しい歯並びを安定させていきます。
ただし、後戻りにはさまざまな要因が関係しています。
保定装置の使用状況だけでなく、歯に加わる舌や唇の力、噛み合わせ、成長などが影響する場合もあります。
舌の癖が歯並びに影響する理由
歯は、お口の中でさまざまな力を受けています。
内側からは舌、外側からは唇や頬の力が加わっていて、そのバランスの中で歯の位置が保たれています。
通常、舌は何もしていないとき、上あごに沿うような位置にあります。
しかし、普段から舌が低い位置にあったり、舌を前へ出す癖があったりすると、歯にかかる力のバランスが変わることがあります。
特に、飲み込むたびに舌で前歯を押している場合には、同じ方向へ繰り返し力が加わります。
一回一回の力は弱くても、毎日何度も繰り返されることで、歯並びに影響することがあります。
そのため、矯正で歯をきれいに並べても、舌の使い方が変わっていない場合には、歯並びが安定しにくくなることがあります。
矯正後に確認したい舌の癖
矯正後の歯並びを安定させるためには、普段のお口の使い方も確認しておくことが大切です。
例えば、
- 飲み込むときに舌が前へ出る
- 舌で前歯を押している
- 普段から舌が下にある
- 前歯のすき間に舌を入れる癖がある
- 何もしていないときに口が開いている
- 口呼吸が続いている
などがみられる場合には、舌や唇の使い方を確認することがあります。
特に、舌を前に押し出す「舌突出癖」は、前歯に力が加わりやすく、開咬や前歯の位置と関係することがあります。
また、舌が低い位置にある「低位舌」では、舌が上あごに当たらず、口腔内の力のバランスが変わることがあります。
矯正後は、歯並びそのものだけでなく、こうしたお口の使い方にも目を向けていくことが大切です。
MFTは何のために行うの?
MFT(口腔筋機能療法)は、舌や唇、頬などのお口周りを適切に使えるようにするためのトレーニングです。
例えば、
- 舌の正しい位置を覚える
- 舌を適切に動かす
- 飲み込むときに舌を前へ出さないようにする
- 唇を自然に閉じる
- お口周りをバランスよく使う
といった練習を行います。
MFTの目的は、単に筋肉を鍛えることではありません。
正しい舌の位置や動きを身につけ、それを普段の生活の中でも自然にできるようにしていくことが大切です。
矯正治療中にMFTを行う場合もありますが、矯正後も必要に応じて継続し、お口の使い方が安定しているか確認していくことがあります。
MFTをすれば後戻りを防げる?
ここで大切なのは、「MFTをすれば後戻りが絶対に起こらない」というわけではないことです。
矯正後の後戻りには、
- 保定装置の使用状況
- 歯やあごの成長
- 噛み合わせ
- 舌や唇などのお口の使い方
- 歯に加わる日常的な力
など、さまざまな要因が関係しています。
MFTは、その中でも「お口の使い方」を整えるための方法です。
そのため、矯正後の歯並びを安定させるためには、MFTだけに頼るのではなく、保定装置を正しく使用しながら、必要に応じてお口の機能も整えていくことが大切です。
保定装置とMFTは役割が違います
矯正後に使う保定装置とMFTは、それぞれ役割が異なります。
保定装置は、矯正で動かした歯を新しい位置にとどめるために使用します。
一方で、MFTは舌や唇、頬などのお口周りの使い方を整えるために行います。
つまり、
保定装置は「歯の位置を守る」
MFTは「歯に加わる力のバランスを整える」
と考えるとわかりやすいかもしれません。
どちらか一方だけでよいというわけではなく、必要に応じて両方を組み合わせながら歯並びの安定を目指します。
口呼吸やお口ポカンも関係することがあります
矯正後の歯並びを考えるときには、舌の癖だけでなく、口呼吸やお口ポカンにも注目することがあります。
口が開いた状態が続いていると、舌が低い位置になりやすく、唇から歯にかかる力も変わることがあります。
また、鼻づまりなどによって鼻呼吸がしづらい場合には、意識して口を閉じようとしても難しいことがあります。
そのため、口呼吸やお口ポカンがみられる場合には、単に「口を閉じる練習をする」だけではなく、鼻呼吸ができる状態かどうかも確認することが大切です。
必要に応じて、耳鼻咽喉科などで鼻の状態を確認することもあります。
矯正が終わったあともお口の使い方を確認しましょう
矯正治療が終わると、装置が外れたことに安心して、お口の癖について意識しなくなることもあるかもしれません。
しかし、舌や唇の使い方は毎日の生活の中で続いています。
例えば、
- 舌が正しい位置にあるか
- 飲み込むときに舌を前へ出していないか
- 普段から口が開いていないか
- 鼻呼吸ができているか
などを、ときどき確認してみましょう。
家庭で細かく注意し続ける必要はありませんが、矯正後も定期的に歯科医院で歯並びや噛み合わせ、お口の使い方を確認してもらうことが大切です。
後戻りが気になったら早めに相談を
矯正後に、
「前歯が少し開いてきた気がする」
「歯並びが前と変わってきた」
「リテーナーが入りにくくなった」
などの変化に気づいた場合には、早めに歯科医院へ相談しましょう。
後戻りが少ない段階で確認できれば、保定装置の調整などで対応できる場合もあります。
また、歯並びの変化だけでなく、舌の癖や飲み込み方が気になる場合にも相談してみましょう。
「歯が動いてから考える」のではなく、定期的に状態を確認しておくことが大切です。
まとめ
矯正治療で歯並びを整えたあとも、歯には舌や唇、頬などから毎日力が加わっています。
舌で前歯を押す癖や低位舌、適切でない飲み込み方などが残っている場合には、歯並びの安定に影響することがあります。
MFTでは、正しい舌の位置や動かし方、飲み込み方、唇の使い方などを練習し、普段のお口の使い方を整えていきます。
ただし、MFTだけで後戻りを完全に防げるわけではありません。
矯正後の歯並びを安定させるためには、
- 保定装置を適切に使用する
- 舌や唇の癖を確認する
- 口呼吸やお口ポカンにも目を向ける
- 定期的に歯並びや噛み合わせを確認する
ことが大切です。
矯正が終わったあとも、歯並びだけでなく「普段のお口の使い方」まで一緒に見ていきましょう。
「矯正後の歯並びが少し気になる」
「舌で前歯を押す癖が残っている」
「MFTをいつまで続ければいいの?」
このような気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。