インプラントをいれたその後は何をしたらいい?

インプラント治療は、治療後のメンテナンスがいかに重要であるかをご存じでしょうか?インプラントは正しくケアをすれば非常に長持ちしますが、適切なメンテナンスを怠ると、トラブルの原因となりかねません。今回は、インプラントを長持ちさせるためのポイントについて詳しく解説します。

なぜインプラントを入れるとメンテナンスが必要なのか?

インプラントは天然歯とは異なり、虫歯になることはありません。しかし、インプラント周囲炎という炎症が発生するリスクがあります。これは、歯周病と同じように、プラークや歯石が原因で起こり、放置するとインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。そのため、インプラント治療後も定期的なケアと検診が欠かせません。

インプラント周囲炎は、インプラントの周囲にある歯茎や骨に炎症が生じる病気です。初期段階では、歯茎が腫れたり、出血しやすくなったりする「インプラント周囲粘膜炎」として現れます。この段階で適切な治療を行わないと、炎症が進行して骨が溶ける「インプラント周囲炎」へと発展します。骨が減少すると、インプラントの安定性が失われ、最終的には脱落するリスクが高まります。

日常のケア:自宅でのポイント

インプラントを長持ちさせるためには、日常のオーラルケアが非常に重要です。

正しい歯磨き習慣
インプラント周囲の歯茎を清潔に保つために、歯磨きは欠かせません。特に以下の点に注意してください

  • 軟らかい歯ブラシを使用する。
  • インプラントと歯茎の境目を丁寧に磨く。
  • 力を入れすぎないように注意する。

②デンタルフロスと歯間ブラシの活用
歯ブラシだけでは、インプラント周囲の細かい隙間まできれいにすることは難しいです。デンタルフロスや歯間ブラシを使って、プラークをしっかり取り除きましょう。

③抗菌性のある洗口液の使用
市販の抗菌性洗口液を使用することで、インプラント周囲の細菌の繁殖を抑える効果があります。ただし、使用方法については歯科医師や歯科衛生士に相談してください。

数ヶ月に1回は歯科医院での定期検診

インプラントのメンテナンスには、歯科医院での定期検診が欠かせません。定期検診では、日常のケアでは取り除けない歯石を除去したり、インプラントの状態をチェックしたりします。

専門家によるクリーニング
定期検診では、歯科衛生士によるクリーニングを受けることが推奨されます。これにより、歯垢や歯石を徹底的に取り除き、インプラント周囲の健康を保つことができます。

②インプラントの動揺や周囲組織のチェック
歯科医師がインプラントの動揺や周囲組織の炎症の有無を確認します。早期にトラブルを発見することで、大きな問題を防ぐことができます。

③咬み合わせの調整
インプラントは天然歯よりも硬いため、噛み合わせが不均等だと他の歯やインプラントに過剰な負担がかかることがあります。定期的に噛み合わせをチェックし、必要に応じて調整を行います。

メンテナンスを怠った場合のリスク

メンテナンスを怠ると、以下のようなリスクがあります。

  • インプラント周囲炎の発症 インプラント周囲炎が進行すると、骨が溶けてインプラントが脱落する可能性があります。
  • 治療のやり直し 一度脱落したインプラントを再び設置するには、骨の再生治療が必要になることがあり、費用も時間もかかります。
  • 全身の健康への影響 インプラント周囲炎が進行すると、細菌が血流を通じて全身に広がり、糖尿病や心血管疾患のリスクを高めることがあります。

インプラントを健康な状態で保つためには、以下のような生活習慣も大変重要です。

  • 禁煙:喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高めます。
  • バランスの取れた食事:栄養バランスの良い食事を心掛け、骨の健康をサポートしましょう。
  • ストレス管理:ストレスは免疫力を低下させ、炎症を引き起こしやすくします。

インプラント治療は、その後のメンテナンス次第で寿命が大きく変わります。日常のオーラルケアを徹底し、歯科医院での定期検診を欠かさず受けることで、インプラントを健康に保つことができます。インプラントを長持ちさせるためのサポートが必要な方は、ぜひ当院にご相談ください。