矯正なのにインプラント?


「インプラント矯正」という言葉を聞いてどんなことが思い浮かびますか?


矯正治療なのにインプラント?

歯を動かすだけじゃなく新しい歯を埋め込むの?


と思われる方が多いと思います。失った歯の代わりに埋め込むインプラントは、「デンタルインプラント」といいます。

「インプラント矯正」とは小さなネジを使って矯正治療を進めていく治療法の一つです。



インプラント矯正

アンカースクリューという矯正歯科治療用に開発された生体親和性の高いネジを歯茎の中のあごの骨に埋め込み、歯を動かす際の固定源として用いる方法です。

歯科矯正用アンカースクリューは直径1.5ミリ前後、長さ6~10ミリのとても小さいネジです。


流れ

レントゲンや検査で埋め込む位置や方向の確認

埋入部分の消毒や少量の麻酔を行います

切開は行わずにドライバーでアンカースクリューを埋め込みます

埋入当日は、抗生物質と鎮痛剤を処方します

アンカースクリューを固定源に歯の移動(矯正治療)を行います

矯正治療が終わり、アンカースクリューが不要となると除去します

傷跡は2~3日で完治し、きれいに治るので傷跡も気になりません。

矯正治療にアンカースクリューを用いるメリット


①患者さんの負担を軽減することが可能

ヘッドギアという頭から口元にかけて患者様自身で取り付ける装置をご存じでしょうか?動かしたくない歯まで動いてしまうことを防ぐための昔から使われている矯正装置です。この装置は慣れれば問題ないかもしれませんが、装着の違和感がありますし、患者さん自身に決められた時間・方法で毎日使用してもらう必要があります。

これに対して、アンカースクリューは患者自身の協力度に関係なくスムーズに治療を進めることが可能です。お口の中で埋め込んだままなので見た目や取り外しを気にすることはありません。また、埋め込む際の時間はごくわずかですし、麻酔をして処置を行うため痛みもほとんどありません。矯正治療が終われば、取り外す処置も短時間で済みます。


②動かしたい歯だけを動かせる

動かしたい歯だけを動かすことができます。例えば、小臼歯を抜歯し、空いたスペースに前歯を移動させたい場合、歯列とは別に固定源があるので奥歯が前方にずれ込むことなく前歯だけを動かすことが可能です。


③治療期間の短縮

固定源が強固になるので、数本の歯をまとめて動かすことが可能になり、治療期間の短縮につながります。


④非抜歯治療の可能性

従来の治療法では奥歯を後ろに動かす治療は非常に難しいですが、アンカースクリューを用いると治療可能となります。後ろに動かすことが可能となるとスペースができ、小臼歯の抜歯を回避できる可能性も出てきます。


⑤大臼歯・前歯の圧下

ガミースマイル(笑った時に歯茎が見えること)などの治療に必要な歯の圧下(歯ぐきの骨の中に沈めるように動かすこと)が可能となります。


⑥外科矯正の回避、外科矯正手術の負担軽減

外科矯正治療が必要な骨格上に問題のある症状でも手術を回避できる可能性が出て、外科矯正手術時の骨の移動量を減らすことで患者さん自身の負担を軽減することが可能です。



アンカースクリューの注意点

・お口の衛生管理

お口のケアを怠ってしまうと歯茎の腫れなどの症状がでることがあります。埋入周辺の衛生管理は特に気を付ける必要があります。


・再埋入の可能性

どんなに注意をしていても骨の状態によってはネジが緩んだり抜け落ちたりすることがあります。その際は再び埋入の作業を行う必要があります。