歯科治療で使われるレントゲンとCTの違い

「レントゲン撮りますね」と言われ、エックス線を用いる撮影をしたことはありませんか?これは開発者のヴィルヘルム・レントゲンの名前からとられた呼称です。正しい名称は、エックス線画像撮影。エックス線という放射線を照射し写し取る撮影法です。以下、ここではエックス線画像撮影のことをレントゲンと記載します。

歯科で用いるレントゲンは大きく3つあります。

  • 顎の骨と歯全体を写す「パノラマ」または「オルソパントモグラフィ」
  • 部分的に写す「デンタル」
  • エックス線を照射し、得たデータにコンピュータ処理と再構築をかける「CT」

今回はこれらの違いについてご説明します。

「パノラマ」と「デンタル」はいつ使う?

歯科医院では「パノラマ」と「デンタル」が導入されていることが多いです。歯科疾患は肉眼で見ることができない場所で起きていることが多いので、

  • 虫歯の有無
  • 歯の根っこの状態
  • 歯を支える骨の状態
  • 顎の関節の状態
  • 詰め物、被せ物の適合状態
  • 親知らずの向き

等を撮影したパノラマとデンタルから確認します。

東成区のともファミリー歯科では、状態確認だけではなく、患者様に合わせた治療方針を判断する材料の一つにもなりますのでパノラマ・デンタル撮影がとても重要となります。

では、同じX線を撮影に用いるCTとは何が違うのでしょうか?

「CT」はいつ使う?コンピュータ処理によって3次元に

CTと聞くと、病院で検査着に着替え台の上に横になって撮影し3次元の画像を撮るイメージはありませんか?その歯科用バージョンが歯科用CTです。

そもそもCTとはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略です。CTは平面的なパノラマやデンタルと違い、複数枚撮影した断面図にコンピュータ処理で再構築がかかることで3次元の画像となります。

同じような機械での撮影にMRIというものがあります。どちらも3次元的に撮影することができますが、撮影方法や適応している部位などは違います。下記、簡単に比較です。

CTMRI
方法・原理放射線を利用体の中の水分と磁場と電波を利用
撮影時間比較的短い比較的長い
適応部位全身(部位、症状により優位あり)全身(部位、症状により優位あり)
備考放射線被曝がある金属が体内に入っている場合は検査ができない。
閉所恐怖症の場合検査が難しい。

パノラマやデンタルの平面の撮影方法ですと撮影した方向からしか確認ができませんが、歯科用CTの三次元は様々な角度・位置から歯の位置・骨の深さ・幅・奥行などが正確に把握できます。正確に把握するということは正しい診断と適切な処置に繋がります。