銀歯以外の詰め物や被せ物って何があるの?〜保険診療編〜

みなさんは詰め物や被せ物にはどんな種類があるのかを聞いたことはありますか?
一般的に治療で使う詰め物と言われると、銀歯を思い浮かべる方も多いのではないかと思います。
しかし、近年では歯に対する意識も高まり、見た目を綺麗にしたい、白く自然な歯になりたいと考える人も増加してきました。その結果、今では色々な種類の詰め物が取り扱われています。

そこで今回は、銀歯以外にはどんな詰め物や被せ物の種類があるのかをご紹介していきます。種類の中には【保険診療で治療できるもの】と【自由診療で治療できるもの】がありますので、今回は【保険診療で治療できるもの】についてご紹介します。

保険診療で白い歯にはなれるの?

保険で白い詰め物が選択出来ることをご存知ですか?
選択出来る白い詰め物は治療部位によっても異なります。

◾︎CR(コンポジットレジン)◾︎

コンポジットレジンとは、虫歯を取り除いた部分に口腔内で直接詰めるプラスチックの詰め物です。セラミック粒子と合成樹脂を8:2の割合で合わせて作られています。
虫歯が小さい場合に使用されることが多く、ペースト状にしたプラスチックを歯に詰めて光を当てて固めるという治療方法です。
メリットは保険診療の中でも比較的安価に治療が可能で、一歯に対して1回で治療を完了させることが出来るところです。
一方で、素材がプラスチックのために金属と比べると強度が弱く、長期の使用により変形や変色してしまいやすいところがデメリットです。

◾︎CADCAM冠/CADCAMインレー◾︎

CAD/CAM(Computer-Aided-Design/Computer-Aided-Manufacturing)とは、コンピューターを用いて設計や生産を行う技術のことです。歯科では、口腔内を3Dカメラでスキャンして、データを元に詰め物や被せ物をコンピューター上で作成します。
メリットは歯に似た白色のため、銀歯に比べると見た目が自然なところです。
また、金属が使われていない分、金属アレルギーを起こしたり歯肉が黒ずんで見えたりしないこともメリットです。
デメリットは、歯ぎしりや食いしばりが強い方は割れやすいところです。コンポジットレジンよりも強度は高いですが、素材に厚みを確保するためにたくさんの歯を削る必要があります。その上、プラスチックの性質上プラークが付きやすいことで、虫歯や歯周病のリスクも上がります。

◾︎硬質レジン前装冠◾︎

硬質レジン前装冠とは、金属のフレームにレジンを張り付けて作られた前歯の被せ物(差し歯)です。治療直後は見た目も白く美しいこと、内側に金属が使われている分強度が高く、強いかみ合わせにも耐えられることがメリットです。
デメリットは、銀歯と同様に時間が経つと金属の劣化によって歯や歯茎の変色や金属アレルギーの原因にも繋がるところです。
また、表面のレジンは歯本来の透明感や艶がなく審美性が少ないことで、他の歯との色調の差が生まれやすくなります。

最後に

このように、保険診療の中でも銀歯以外の詰め物や被せ物を選択することが可能です。
しかし、充分な強度や耐久性に欠けていたり、年数が経つことで天然歯との色調の差が生まれやすくなるため、審美面や歯の長持ちを優先される方は、セラミックなどの【自由診療で治療できるもの】を検討されることをオススメします。