MFTは家でも必要?家庭でトレーニングを続けるコツ

「歯医者さんでMFTを始めたけれど、家でもやったほうがいいの?」
「毎日続けたほうがいいのは分かるけど、なかなか習慣にならない」

MFT(口腔筋機能療法)を始めると、このように感じる方も多いのではないでしょうか。

前回の記事では、MFTで行う舌・唇・頬のトレーニングや、飲み込み方の練習についてご紹介しました。

MFTでは、歯科医院で練習するだけではなく、家庭でも少しずつ繰り返すことが大切です。

なぜなら、MFTの目的は「その場でトレーニングができるようになること」ではなく、正しい舌の位置やお口の使い方を、普段の生活の中でも自然にできるようにすることだからです。

今回は、MFTを家でも行う理由や、家庭で無理なく続けるためのコツについてご紹介します。

MFTはどうして家でも必要なの?

MFTでは、舌の位置や動かし方、唇の閉じ方、飲み込み方などを練習します。

歯科医院で方法を覚えても、それだけですぐに普段のお口の使い方が変わるわけではありません。

例えば、普段から舌が低い位置にある子どもに正しい舌の位置を伝えても、最初のうちは意識していないと元の位置に戻ってしまうことがあります。

飲み込み方も同じです。

歯科医院では正しくできても、自宅で食事をしているときや唾液を飲み込むときには、いつもの癖が出てしまうことがあります。

そのため、家庭でも繰り返し練習し、「正しい動き」を少しずつ普段の動作につなげていくことが大切です。

長時間やればよいわけではありません

「家でも必要」と聞くと、毎日長い時間トレーニングしなければいけないように感じるかもしれません。

しかし、MFTは長時間行えばよいというものではありません。

大切なのは、歯科医院で教わった方法を正しく行い、それを無理のない範囲で繰り返すことです。

集中力が続かない状態で無理に長く行うと、子ども自身がMFTを嫌になってしまうこともあります。

一度にたくさん行うよりも、「毎日の生活の中に少しずつ取り入れる」ことを意識すると続けやすくなります。

トレーニングの回数や時間は内容によって異なるため、自己流で増やすのではなく、歯科医院で教わった方法や回数を目安にしましょう。

毎日の習慣とセットにする

家庭で続けるコツの一つは、MFTを行う時間をある程度決めておくことです。

例えば、

  • 朝の歯みがきのあと
  • 学校や園から帰ってきたあと
  • お風呂に入る前
  • 夜の歯みがきのあと

など、毎日行っている習慣とセットにすると忘れにくくなります。

「時間があったらやろう」とすると、どうしても後回しになりがちです。

「歯みがきをしたらMFT」というように、すでにある生活習慣と組み合わせることで、少しずつ取り組みやすくなります。

親子で一緒にやってみる

小さな子どもの場合、「自分でやってね」と伝えるだけでは、なかなか続かないことがあります。

そんなときは、親子で一緒にやってみるのもおすすめです。

鏡を見ながら一緒に舌を動かしたり、保護者の方が先にお手本を見せたりすることで、遊びの延長のように取り組めることもあります。

「できてる?」
「違うよ」
と細かく指摘し続けるよりも、

「今日はここまでできたね」
「昨日より上手になったね」

など、小さな変化を一緒に確認することも大切です。

MFTはすぐに大きな変化が出るものではありません。

できていない部分だけを見るのではなく、少しずつできるようになったことにも目を向けてみましょう。

鏡を使うと分かりやすいこともあります

舌や唇の動きは、自分では見えにくいものです。

そのため、トレーニング内容によっては鏡を使うことで、正しくできているか確認しやすくなります。

例えば、

  • 舌が目的の位置にあるか
  • 舌が左右にずれていないか
  • 唇やあごに余計な力が入っていないか

などを、自分の目で見ながら確認することができます。

ただし、見た目だけでは判断しにくい動きもあります。

「これで合っているのかな?」と迷ったときは、自己流で続けるのではなく、次回の受診時に確認してもらいましょう。

できない日があっても大丈夫

毎日続けようと思っていても、忙しい日や疲れている日はあります。

一日できなかったからといって、「もう続かない」と考える必要はありません。

大切なのは、できなかったことを責めるのではなく、また次の日から再開することです。

特に子どものMFTでは、家庭でのトレーニングが負担になりすぎると、続けること自体が難しくなってしまいます。

完璧にこなすことよりも、無理のない形で習慣として続けていくことを目指しましょう。

「やりたくない」と言われたら?

子どもがMFTを嫌がることもあります。

最初は楽しんでいても、同じ練習を繰り返しているうちに飽きてしまうこともあります。

そんなときに無理にやらせ続けると、MFTそのものに苦手意識を持ってしまうことがあります。

なぜ嫌がっているのかを一度確認してみましょう。

難しくてできないのか、時間が長いのか、やり方が分からないのかなど、理由によって対応は変わります。

うまくできないトレーニングがある場合には、歯科医院で内容や進め方を調整できることもあります。

「家で全然できません」と感じたときこそ、そのままにせず相談してみてください。

家庭では「普段のお口」にも注目

MFTは決められたトレーニングだけを行えばよいわけではありません。

家庭では、普段のお口の状態を少し意識してみることも大切です。

例えば、

  • テレビを見ているときに口が開いていないか
  • 舌が前に出ていないか
  • 食事中の飲み込み方に変化があるか
  • 鼻ではなく口で呼吸していないか

などです。

ただし、一日中「口を閉じて」「舌は上だよ」と注意し続ける必要はありません。

注意され続けると、子どもにとって負担になることもあります。

歯科医院で確認したポイントを、生活の中でときどき一緒に確認するくらいから始めてみましょう。

家庭だけで判断せず、定期的に確認しましょう

MFTでは、できているつもりでも少し違う動きになっていることがあります。

そのため、家庭で練習を続けながら、歯科医院で定期的に舌や唇の動き、飲み込み方などを確認することが大切です。

できるようになったトレーニングは次の段階へ進み、難しい部分があれば練習方法を見直します。

子どもの成長やお口の状態によっても必要なトレーニングは変わるため、家庭練習と歯科医院での確認を組み合わせながら進めていきます。

まとめ

MFTは、歯科医院だけでなく家庭でも少しずつ取り組むことが大切です。

正しい舌の位置や飲み込み方を身につけるためには、練習した動きを普段の生活の中でも繰り返し使っていく必要があります。

家庭で続けるときは、

  • 毎日の習慣とセットにする
  • 長時間やりすぎない
  • 親子で一緒に取り組む
  • 鏡を使って確認する
  • できない日があっても気にしすぎない

など、無理なく続けられる工夫を取り入れてみましょう。

大切なのは、毎日完璧にこなすことではなく、正しい方法で少しずつ習慣にしていくことです。

「家ではなかなか続かない」
「正しくできているか分からない」

という場合も、そのままにせず歯科医院で相談しながら進めていきましょう。