MFT(口腔筋機能療法)とは?小児矯正や口呼吸との関係

小児矯正というと、「装置を使って歯を動かす治療」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし、子どもの歯並びや噛み合わせは、歯だけで決まるものではありません。
普段の舌の位置、唇を閉じる力、呼吸の仕方、飲み込み方など、お口周りの筋肉の使い方も大きく関係しています。
例えば、いつも口が開いている、口呼吸をしている、舌が低い位置にある、飲み込む時に舌が前に出るといった癖があると、歯並びやあごの成長に影響することがあります。
そこで大切になるのが、MFT(口腔筋機能療法)です。
MFTは、舌・唇・頬などのお口周りの筋肉を正しく使えるようにするためのトレーニングです。歯並びを整えるだけでなく、健やかなお口の発達をサポートする目的で行われます。
今回は、MFTとはどのようなものなのか、どんなお口の状態に必要なのか、矯正治療との関係やご家庭での練習についてわかりやすく解説します。
目次
MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFTとは、「Oral Myofunctional Therapy」の略で、日本語では口腔筋機能療法といいます。
舌や唇、頬などのお口周りの筋肉を正しく使えるようにするためのトレーニングです。
具体的には、
- 舌を正しい位置に置く
- 唇を閉じる力をつける
- 鼻呼吸を意識する
- 正しい飲み込み方を身につける
- お口周りの筋肉をバランスよく使う
といった練習を行います。
歯並びは、歯そのものだけでなく、舌・唇・頬から受ける力のバランスによっても影響を受けます。
例えば、舌が前歯を押す癖があったり、口呼吸でいつも口が開いていたりすると、歯並びやあごの成長に負担がかかることがあります。
MFTは、こうしたお口の癖や筋肉の使い方を整えることで、歯並びや噛み合わせを支える土台づくりを目的としたトレーニングです。
どんな子にMFTが必要?
MFTは、お口周りの筋肉の使い方に癖がある場合や、舌・唇・呼吸・飲み込み方に気になる点がある場合に必要となることがあります。
例えば、次のような様子はありませんか?
- いつも口が開いている
- 口呼吸をしている
- 舌が下の方にある
- 飲み込む時に舌が前に出る
- 発音が気になる
- 唇を閉じる力が弱い
- 歯並びが乱れている
- 前歯が噛み合わない
このようなサインがある場合、お口周りの筋肉が正しく使えていなかったり、舌の位置が低くなっていたりする可能性があります。
特に、「お口ぽかん」や口呼吸がある子は、舌が本来より低い位置にあることがあります。
本来、舌は上あごに軽くついているのが自然な位置です。しかし、舌が下がった状態が続くと、上あごの成長や歯並び、飲み込み方に影響することがあります。
また、唇を閉じる力が弱いと口が開きやすくなり、口呼吸につながることもあります。口呼吸が続くと、さらに舌の位置が下がりやすくなるため、悪循環になることもあります。
MFTでは、こうしたお口の癖を確認しながら、舌を正しい位置に置く練習や、唇を閉じる練習、正しい飲み込み方の練習などを行います。
「歯並びが少し気になる」「口が開いていることが多い」という段階でも、お口の機能を確認することで、早めに必要なサポートにつなげることができます。
舌・唇・呼吸のトレーニング
MFTでは、お口周りの筋肉を正しく使えるように、舌・唇・呼吸・飲み込み方などのトレーニングを行います。
舌のトレーニング
舌を正しい位置に置く練習をします。本来、舌は上あごに軽くついているのが自然な位置です。舌が下がったままだと、口呼吸や歯並び、飲み込み方に影響することがあるため、まずは「舌をどこに置くのか」を覚えることが大切です。
唇のトレーニング
口を閉じる力をつける練習を行います。唇を閉じる力が弱いと、無意識のうちに口が開きやすくなり、口呼吸やお口ぽかんにつながることがあります。
呼吸のトレーニング
鼻呼吸を意識できるように練習します。口で呼吸する癖がある子は、日中だけでなく寝ている時にも口が開きやすくなることがあります。鼻で呼吸する習慣を身につけることは、お口の発達にとっても大切です。
ただし、鼻づまりやアレルギー性鼻炎などがある場合は、鼻で呼吸したくても難しいことがあります。そのような場合は、歯科だけでなく耳鼻咽喉科と連携しながら対応することもあります。
MFTは、ただ筋肉を鍛えるためのものではありません。舌・唇・呼吸を正しく使う練習を通して、毎日の生活の中で自然に良い使い方ができるようにするためのトレーニングです。
矯正治療との併用が大切な理由
小児矯正では、装置を使って歯並びやあごの成長をサポートすることがあります。
しかし、歯並びを整えるためには、歯を動かすだけではなく、お口の使い方を整えることも大切です。
例えば、舌で前歯を押す癖や、口呼吸、飲み込み方の癖が残ったままだと、せっかく歯並びを整えても、歯に余計な力がかかり続けてしまうことがあります。
その結果、歯並びが安定しにくかったり、治療後に後戻りしやすくなったりする場合があります。
歯は、舌・唇・頬などから日常的に力を受けています。
そのため、歯並びを整えるには、歯そのものだけでなく、周りの筋肉のバランスを整えることも重要です。
MFTを併用することで、
- 舌の位置を整える
- 唇を閉じる力をつける
- 正しい飲み込み方を身につける
- 鼻呼吸を意識する
- お口周りの筋肉を正しく使う
といったサポートができます。
矯正治療で歯並びやあごの成長を整えながら、MFTでお口の使い方を練習することで、より安定したお口の環境を目指すことができます。
つまりMFTは、矯正治療を補助するだけでなく、治療後の良い状態を保つためにも大切なトレーニングです。
家庭での練習も大切です
MFTは、歯科医院で行うだけでなく、家庭での練習もとても大切です。
舌の位置や唇の使い方、飲み込み方などは、毎日の生活の中で少しずつ身についていきます。
そのため、医院で練習したことを自宅でも続けることで、正しいお口の使い方が定着しやすくなります。
無理に長時間行う必要はありません。子どもの年齢やお口の状態に合わせて、短い時間でも毎日続けることが大切です。
大切なのは、「完璧にやること」よりも「続けること」です。
保護者の方が声をかけたり、一緒に確認したりすることで、子どもも取り組みやすくなります。
また、MFTはすぐに大きな変化が出るものではありません。毎日の小さな積み重ねによって、少しずつお口の使い方を整えていくトレーニングです。
歯科医院では、子どもの状態に合わせて練習内容を確認し、ご家庭でも続けやすい方法をお伝えします。
無理なく続けながら、舌・唇・呼吸・飲み込み方を整えていくことが、健やかなお口の発達につながります。
まとめ
MFT(口腔筋機能療法)は、舌・唇・呼吸・飲み込み方などを整えるためのお口のトレーニングです。
歯並びや噛み合わせには、歯やあごの成長だけでなく、お口周りの筋肉の使い方も深く関係しています。
特に、
- お口ぽかん
- 口呼吸
- 低位舌
- 飲み込みの癖
- 歯並びの乱れ
- 唇を閉じる力の弱さ
などが気になる場合は、MFTが必要になることがあります。
また、小児矯正とMFTを併用することで、歯並びを整えるだけでなく、舌の位置や呼吸、飲み込み方などのお口の機能を整えるサポートにもつながります。
MFTは、すぐに大きな変化を出すものではありません。歯科医院での確認と、ご家庭での練習を続けながら、少しずつ正しいお口の使い方を身につけていくことが大切です。
「うちの子にMFTは必要かな?」
「口呼吸やお口ぽかんが気になる」
「矯正と一緒にトレーニングも必要なのかな?」
このような気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
お子さんのお口の状態や成長に合わせて、必要なサポートをご提案いたします。