舌突出癖とは?MFTで正しい飲み込み方を身につける

「食べ物を飲み込むときに舌が前に出ている」
「飲み込むとき、口元にギュッと力が入っている」
「前歯のすき間から舌が見えることがある」
このような様子が気になったことはありませんか?
普段何気なく行っている「飲み込む」という動作ですが、実は舌や唇、頬、あごなど、お口周りのさまざまな部分が関わっています。
子どもの飲み込み方に癖があり、舌で歯を押すような状態が続いていると、歯並びや噛み合わせに影響することがあります。これらの無意識の癖を「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」と言います。
今回は、MFT(口腔筋機能療法)とも関係の深い「正しい飲み込み方」と「舌突出癖」についてご紹介します。
目次
正しい飲み込み方って?
食べ物や飲み物、唾液を飲み込むことを「嚥下(えんげ)」といいます。
飲み込むときには舌だけでなく、唇や頬、あごなど、お口周りが協調して動いています。
成長した子どもや大人では、飲み込むときに舌先が上の前歯のすぐ後ろ付近に位置し、舌が上あごに沿うように動きます。
このとき、舌が上下の前歯の間から大きく出たり、前歯を強く押したりする必要はありません。また、唇をギュッと閉じたり、あご周りに必要以上の力を入れたりせずに飲み込むことができます。
飲み込みは、食事のときだけではありません。唾液を飲み込むときなど、一日の中で何度も繰り返しています。
そのため、普段どのように舌を使って飲み込んでいるかは、お口の機能を考えるうえで大切なポイントになります。
舌突出癖とは?
「舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)」とは、舌を前方へ出したり、歯と歯の間に舌を入れたりする癖のことです。
特に飲み込むときに舌が前へ出て、前歯を押したり、上下の前歯の間に舌が入り込んだりすることがあります。
赤ちゃんの頃は、舌を前方へ動かしながら母乳やミルクを飲みます。しかし、離乳食が始まり、さまざまな食べ物を経験していく中で、舌や唇、あごの使い方も少しずつ発達していきます。
そのため、成長してからも舌を前へ出すような飲み込み方が続いている場合には、普段の舌の位置や歯並びなどとあわせて確認することが大切です。
正しい舌の位置については「舌の位置はなぜ大切?」にて詳しく解説しています。
こんな飲み込み方をしていない?
飲み込み方は普段あまり意識しないため、本人だけでなく保護者の方も気づきにくいことがあります。
例えば、
- 飲み込む瞬間に舌が前歯の間から見える
- 舌で前歯を押しているように見える
- 飲み込むときに唇をギュッと閉じる
- 口元やあごに強く力が入る
- 前歯が噛み合わず、そのすき間に舌を入れている
- 普段から舌が前に出ていることが多い
などがチェックポイントになります。
一つ当てはまるからといって、必ず問題があるわけではありません。
ただし、いくつも当てはまる場合や、歯並び・噛み合わせなどにも気になることがある場合は、一度お口の機能を確認してみてもよいでしょう。
舌突出癖と歯並び・噛み合わせの関係
歯は、舌だけでなく、唇や頬などからも日常的に力を受けています。
お口の内側からは舌、外側からは唇や頬の力が加わり、そのバランスの中で歯の位置が保たれています。
しかし、舌で前歯を押したり、歯と歯の間に舌を入れたりする癖が続いていると、歯に繰り返し力が加わります。
そのため舌突出癖は、
- 前歯が前方へ傾く
- 上下の前歯が噛み合わない「開咬(かいこう)」
- 歯と歯の間にすき間ができる
などの歯並びや噛み合わせと関連することがあります。
また、舌の癖が歯並びに影響するだけではなく、もともと前歯が噛み合っていないため、そのすき間に舌を入れることが習慣になっている場合もあります。
「舌の癖だけが原因」と考えるのではなく、舌の使い方と歯並び・噛み合わせの両方を見ることが大切です。
なぜ飲み込み方に癖がつくの?
舌突出癖や飲み込み方の癖には、一つではなく、さまざまな要因が関係しています。
例えば、指しゃぶりなどのお口の癖が長く続いていた場合や、歯の生え変わり・歯並びなどによって、舌を置く位置が変わっている場合があります。
また、普段から舌が低い位置にある「低位舌」や、お口が開いている「お口ポカン」、口呼吸などがみられることもあります。
鼻づまりなどによって口呼吸になっている場合には、舌の位置だけを整えようとしても難しいことがあります。
そのため、飲み込み方だけを見るのではなく、普段の舌の位置や唇の状態、呼吸、歯並びなど、お口全体の状態を確認することが大切です。
MFTでは飲み込み方をどう整える?
MFT(口腔筋機能療法)では、普段の舌の位置や飲み込むときの動きを確認し、子どもの状態に合わせて正しい舌の使い方や飲み込み方を練習します。
飲み込みは毎日無意識に行う動作のため、正しい動きを普段の生活でも自然にできるよう、歯科医院での練習と家庭での取り組みを続けていくことが大切です。
具体的なトレーニング内容や家庭での取り組み方については、今後の記事で詳しくご紹介します。
まとめ
飲み込むときに舌が前へ出たり、前歯を押したりする「舌突出癖」は、歯並びや噛み合わせと関連することがあります。
大切なのは、舌だけを見るのではなく、普段の舌の位置や唇の使い方、呼吸、歯並びなども含めて、お口全体の状態を確認することです。
MFTでは、子どものお口の状態を確認しながら、正しい舌の位置や飲み込み方を身につけるための練習を行います。
「飲み込むときに舌が見える」
「前歯のすき間が気になる」
「うちの子の飲み込み方は大丈夫かな?」
このような気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。