子どもの歯ぎしりと口呼吸・睡眠の関係

前回は、子どもの歯ぎしりには成長の過程でみられるものがあり、歯や顎に大きな問題がなければ経過を見る場合もあることをご紹介しました。
では、歯ぎしりをしている子どもに「いびきもある」「寝ているときに口が開いている」といった様子がある場合はどうでしょうか?
子どもの歯ぎしりを見ると、つい「歯」にだけ目が向きがちです。しかし、歯ぎしりと一緒に口呼吸やいびきなどがみられる場合には、睡眠中の呼吸にも目を向けてみることが大切です。
今回は、子どもの歯ぎしりと口呼吸・睡眠の関係について解説します。
目次
歯ぎしりだけでなく「寝ているときの様子」にも注目
睡眠中の歯ぎしりにはさまざまな要因が関係しています。そのため、「歯ぎしりをしている=呼吸に問題がある」というわけではありません。
ただし、歯ぎしりに加えて、
・寝ているときに口が開いている
・頻繁にいびきをかく
・口で呼吸している
・寝相がとても激しい
・何度も目を覚ます
などがみられる場合には、歯ぎしりだけでなく睡眠中の呼吸の状態も確認してみましょう。
特に、毎日のように大きないびきをかく場合や、眠っている途中で呼吸が止まっているように見える場合には、医療機関への相談をおすすめします。
鼻づまりと口呼吸の関係
本来、安静にしているときの呼吸は鼻呼吸が基本です。
しかし、アレルギー性鼻炎や鼻づまりなどによって鼻で呼吸しづらい状態が続くと、無意識に口で呼吸することがあります。
起きているときには意識して口を閉じられても、眠っている間はそうはいきません。そのため、普段から鼻が通りにくい子どもでは、寝ている間に口が開きやすくなることがあります。
「寝るといつも口が開いている」という場合には、お口だけの問題と考えず、鼻がきちんと通っているかも確認してみましょう。
鼻づまりが長く続いている場合には、必要に応じて耳鼻咽喉科で鼻の状態を確認することも大切です。
お口呼吸の考えられる原因については、「口呼吸が子どもに与える影響|虫歯・集中力・顔つきとの関係とは?」にて詳しく解説しています
「お口ポカン」や舌の位置もチェック
睡眠中だけでなく、起きているときのお口にも注目してみましょう。
テレビを見ているときや本を読んでいるときなど、何も話していないのに口がぽかんと開いていることはありませんか?
「お口ポカン」には、口呼吸だけでなく、唇を閉じる力や舌の位置、姿勢などさまざまな要因が関係していることがあります。
また、口が開いた状態が続いている子どもでは、舌が低い位置にある「低位舌」がみられる場合もあります。
舌や唇は、食べる・飲み込む・話すといったお口の機能にも関係しています。そのため、歯ぎしりが気になる場合には、歯だけでなく普段のお口の状態も一緒に見てみましょう。
正しい舌の位置については、「舌の位置はなぜ大切?」にて詳しく解説しています
睡眠中に確認してほしいサイン
歯ぎしりが気になるときは、寝ているときに次のような様子がないか確認してみてください。
・頻繁にいびきをかく
・口を開けて寝ている
・寝相がとても激しい
・何度も目を覚ます
・苦しそうに呼吸している
・朝起きたときに口が乾いている
一つ当てはまっただけで問題があるとは限りません。
ただし、「歯ぎしり+いびき+口呼吸」のように複数のサインが重なっている場合や、それらが長く続いている場合には、一度相談してみてもよいでしょう。
また、寝ているときの様子は毎日同じとは限りません。「今日は歯ぎしりが強かった」「鼻づまりがある日は口を開けて寝ている」など、日によって違いがみられることもあります。
気になる場合は、歯ぎしりやいびきがどのくらいの頻度でみられるのか、鼻づまりがある日と関係していないかなどを少し意識して観察してみましょう。受診する際に普段の様子を伝えることで、お口や呼吸の状態を確認するための参考にもなります。
歯ぎしりだけを止めようとしないことも大切
子どもが歯ぎしりをしていると、「どうすれば止められるの?」と考えてしまいがちです。
しかし、睡眠中の歯ぎしりは本人が意識的にしているものではありません。
特に口呼吸やいびきなど、ほかにも気になる症状がある場合には、歯ぎしりだけを止めることを考えるのではなく、その背景にも目を向けることが大切です。
歯科医院では歯のすり減りや噛み合わせだけでなく、普段のお口の状態なども確認します。鼻づまりなどが疑われる場合には、耳鼻咽喉科などでの確認が必要になることもあります。
まとめ
子どもの歯ぎしりは成長の過程でみられることもありますが、口呼吸やいびきなどが一緒にみられる場合には、睡眠中の呼吸にも目を向けてみましょう。
特に、
・口を開けて寝ている
・頻繁にいびきをかく
・鼻づまりが続いている
・日中もお口ポカンになっている
といった様子が重なっている場合には、お口や呼吸の状態を確認しておくことが大切です。
歯ぎしりだけを「止めなければ」と考えるのではなく、普段のお口の状態や寝ているときの様子を一緒に見ることがポイントです。
気になるサインがいくつかある場合には、歯科医院で相談してみましょう。